学長メッセージ

2021年春に開学した本学はいくつかの点において他の大学とは大きく異なります。
第一に、本学は学部を持たない社会健康医学の単科大学院です。社会全体の健康を守るために何をすべきか、というベクトルを明確に意識し、公衆衛生学を発展させた社会健康医学の手法により多彩な教育研究をすでに展開しています。
第二に、本学では職種・経歴・年齢・性別などの背景を異にする院生が一同に集い、同じ学び舎で修学・研究をしていることです。homogeneousな環境に身を置くことは、ひたすら専門分化を志向するには効率的な手段ですが、視野を狭める懸念もあります。今の健康課題を大局的に解決するためには、お互いの専門性をリスペクトしながら学ぶheterogeneousな視点が求められます。実際私も多くの講義をオンデマンドで視聴していますが、院生がはつらつと自由に意見を交わし議論を進めていくさまは感動さえ覚え、私たちがめざした大学院のあたらしいかたちが着実に醸成されていることを実感しています。
第三に、本学は研究成果の還元とその社会実装を旗幟鮮明に掲げています。卒業後、本学での学びの成果と新たな息吹を携えて地域・職域、さらには日本の健康課題の解決に貢献するみなさんがいるはずです。
2023年からは博士課程設置も予定され、修士課程にも聴覚・言語コースが新設されます。その意味でまさに本学は飛翔の年を迎えており、斬新かつ新鮮な学びをみなさんと共有できることを楽しみにしています。
Profile
1951年静岡市生まれ。京都大学医学部卒。
ミネソタ大学研究員・天理病院皮膚科部長などを経て、
1992年から群馬大学医学部皮膚科教授。
1998年から京都大学大学院医学研究科皮膚科教授。
2014年から滋賀県立成人病センター(現滋賀県立総合病院) 病院長・京都大学名誉教授。
2020年から社会健康医学大学院大学整備推進顧問。
2021年から現職。
専門は、皮膚科学/アレルギー学など