社会健康医学とは
世界の先進国では高齢化が進み、我が国ではこの半世紀で平均寿命が20年も延伸しました。反面、健康寿命とのギャップが10年以上あり、いかにこのギャップを縮めるかが重要な課題になっています。患者個人を対象に病気の根治を目指す治療医学と、人集団を対象に発症や重症化を防ぐ予防医学とが両輪となることが新しいスタンダードとして求められている現代において、後者の役割を担う学問が社会健康医学です。
社会健康医学とは、伝統的な公衆衛生学にゲノム医学や医療ビッグデータ解析などの新しい学術領域を加えることで、社会における人の健康を幅広い視点から考究、社会実装する学問です。本大学院では、公衆衛生専門職教育の国際的水準である基本5領域(疫学、医療統計学、環境健康科学、行動医科学・ヘルスコミュニケーション学、健康管理・政策学)のみならず、関連する学術領域も含めた幅広い学識の修得を目指します。
目指す人物像
社会健康医学の学識を社会に還元し、医療・保健・福祉の向上に貢献できるプロフェッショナルな人材
活躍が想定される職業
医療に直接携わる職種やリサーチコーディネータなどの専門職、医療・福祉の専門職、企業(製薬企業、バイオ系企業、データサイエンス系企業等)、官公庁などで活躍するスペシャリスト。
社会健康医学専攻の構成と取得できる学位
修士課程には、特別コースとして「聴覚・言語コース」が設置されています。
なお、博士後期課程の設置に伴い、修士課程の名称は博士前期課程に改められる予定です(2023年4月)。
修士(社会健康医学) Master of Public Health (MPH)
社会健康医学専攻修士課程(修業年限2年)の修了者には、修士(社会健康医学)(英語名 Master of Public Health, MPH)の学位が与えられます。社会健康医学は幅広い分野に跨がる学問であるため、本学では様々な分野の学士課程の修了者や社会人を対象に、国際的に通用する高度な社会健康医学の学識を身につけた人材を養成しています。MPHの養成課程である公衆衛生大学院には、医師などの6年制大学の卒業者や既に博士号を取得されている方であっても、個々の専門性を超えた幅広い視点から人々の健康を守るための学識の修得を目指して進学されています。
博士(社会健康医学)Doctor of Philosophy in Public Health (PhD)
社会健康医学専攻博士後期課程(修業年限3年)の修了者には、博士(社会健康医学)(英語名 Doctor of Philosophy in Public Health, PhD)の学位が与えられます。
社会健康医学の領域における様々な課題に対し、科学的根拠に基づいて課題解決の方策を提示し、社会に実装する能力のほか、社会健康医学の教育研究を先導する高度な学術性、指導的・先導的役割を担うための学識、教養、並びに高い倫理観を身につけた人材を養成しています。
教育研究制度の特色
豊富な研究実績を持つ教授陣による少人数制の授業
社会健康医学専門職教育の基本5領域(疫学、医療統計学、環境健康科学、行動医科学・ヘルスコミュニケーション学、健康管理・政策学)や関連する領域において、世界的に活躍している専任教員が講義と研究指導を担当します。また、一部の講義は、その内容に造詣の深い他大学の教員を招聘することで教育内容の充実を図っています。
オンラインやオンデマンドでの遠隔授業と教育研究指導
仕事の都合等で授業の時間に大学に行くことができない時は、オンラインで授業に参加することができます。また、それも難しい場合は、後から授業の録画を視聴してオンデマンドで受講することも可能です。(オンデマンドで受講できる回数には制限があり、原則、全授業回の半分以上をオンサイトもしくはオンラインで受講しなければならないルールになっています。また、授業の実施形態によってはオンラインやオンデマンドでの受講ができない場合があります。)特別研究においても、適宜オンラインでの指導を取り入れ、指導教員との綿密なやり取りを実現します。