研究論文
Research Publication
外傷後の線溶活性過剰発現による出血症例の同定が可能な新規線溶抵抗活性測定法を構築した
2025.02.13
- 著者名
- 浦野哲盟ら
- 発表日
- 2025.01.21
- 論文タイトル
- A Novel Fibrinolysis Resistance Capacity Assay Can Detect Fibrinolytic Phenotypes in Trauma Patients.
- 研究の概要
- 血栓溶解に関わる線維素溶解(線溶)系は、plasminogen activator inhibitor type 1 (PAI-1), thrombin activatable fibrinolysis inhibitor (TAFI), α2-Antiplasmin (α2AP) の3種類の阻害因子により制御されている。今回以前の我々の研究成果を基盤に界面活性剤を使用することにより PAI-1 と α2AP による線溶阻害活性の特異測定方法を確立し残存線溶抵抗活性測定法を開発した。同法で重篤外傷後の患者検体を測定したところ、PAI-1 と α2AP の活性の枯渇に伴う線溶活性過剰発現に伴う重篤出血例を再現性よく同定できることがわかった。今後救急臨床の場で迅速な対応を必要とする病態の解明と介入の必要性の判断に広く利用されることが期待される。本学、浜松医大、米国ネブラスカ大学メディカルセンター、コロラド大学との国際共同研究の成果である。
- PMID
- 39837554
- 掲載誌
- Thrombosis and Haemostasis 2025