研究論文
Research Publication
tPA 惹起血漿クロット溶解時間を用いたトロンボモジュリン／トロンビン活性化線溶阻害因子機能の評価
2025.02.13
- 著者名
- 浦野哲盟ら
- 発表日
- 2024.05.09
- 論文タイトル
- Evaluation of thrombomodulin/TAFI function in plasma using tPA-induced plasma clot lysis time.
- 研究の概要
- 血栓の溶解反応（線維素溶解反応：線溶）を制御する生理的機構の一つであるトロンビン活性化線溶阻害因子 (TAFI) とその活性化に必要なトロンボモジュリン (TM) の血漿中活性測定法を確立しその有用性を国際血栓止血学会の学会誌に報告した。本測定法で反復する大出血を呈する TAFI 活性化能を欠失する異常TM (TM-Nagasaki) は血漿中の TM/TAFI 活性を示さず、可溶性 TM 投与による治療後に十分な活性を回復することを示した。また遺伝子改変可溶性 TM (rsTM) 治療後の敗血症に伴う凝固線溶障害の患者では、プロテインC活性化による抗凝固活性だけでなく TAFI活性化による抗線溶活性も増強することが示された。今後 TM/TAFI 系の異常症の同定や、rsTM 前後の病態の理解や治療対象領域の拡大に貢献すると期待する。
- PMID
- 39026660
- 掲載誌
- Research and Practice in Thrombosis and Haemostasis (RPTH) 2024