研究論文

Research Publication

急性期病院入院患者の転倒リスクを特定し、新たな転倒予測モデルの開発・検証をするこで転倒の予防的介入に役立つ可能性が示されました

2025.01.17

著者名
齋藤千紘 、中谷英仁、佐々木八十子ら
発表日
2025.01.15
論文タイトル
Predictive Factors and the Predictive Scoring System for Falls in Acute Care Inpatients: Retrospective Cohort Study
研究の概要
【目的】
急性期病院入院患者の転倒予測因子を特定し、スコアリングシステムを開発・検証することを目的としました。
【結果】
対象は静岡県立総合病院に入院した20歳以上の13,725人(2019年4月~2020年9月)で、2.4%(326人)が転倒を経験していました。多変量解析では、年齢、性別、BMI、寝たきり度、救急科、過去1年の転倒歴がリスク因子として抽出されました。これに基づき、転倒リスクを3段階(低リスク、中リスク、高リスク)に分類するスコアリングシステムを構築し、テストセットでの予測性能(c-index)は0.733と評価されました。
【考察】
新たなスコアリングシステムは、転倒リスクが高い患者を特定し、予防策を講じるための有用なツールとして期待されます。特に、日本の高齢化社会における急性期医療現場での活用が望まれます。一方、精神症状や薬剤情報の欠如、外部検証の不足が限界として挙げられ、将来的な改良が必要とされています。
PMID
39806932
掲載誌
JMIR Human Factors