研究論文

Research Publication

薬物誘発性過敏症症候群(DIHS)/薬物反応性好酸球増多症と全身性症状(DRESS)の発症に関連するリスク因子と薬剤を明らかにしました

2024.05.27

著者名
生形奈菜子、橋爪秀夫、中谷英仁、佐々木八十子、宮地良樹
発表日
2024.05.23
論文タイトル
Risk Factors and Drugs Associated with the Development of Drug-Induced Hypersensitivity Syndrome (DIHS)/Drug Reaction with Eosinophilia and Systemic Symptoms (DRESS): A Population-Based Cohort Study Using the Shizuoka Kokuho Database
研究の概要
薬物誘発性過敏症候群(DIHS)または薬物反応性好酸球増多症と全身症状(DRESS)は、発熱、発疹、内臓器官の合併症、そして時には潜伏ウイルスの再活性化を特徴とする重篤な皮膚有害事象である。この研究では、静岡国保データベースの8.5年間の後ろ向きコホートを用いて、DIHS/DRESSの潜在的リスク因子を特定し、年齢、性別、既存の病状、および薬剤との関連性を評価した。コホート内の1,909,570人のうち143人がDIHS/DRESSを発症し、発生率は10万人年につき1.5例であった。年齢、女性、うつ病、神経障害、関節リウマチ/結合組織病がリスク因子として特定された。回帰分析により、いくつかの薬剤がDIHS/DRESSの高リスクと関連していることが示された。具体的には、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)やインスリンなどが、既知の引き金である抗てんかん薬やサルファ剤とともに、DIHS/DRESSのリスク増大させていた。
掲載誌
Journal of the American Academy of Dermatology