研究論文

Research Publication

医療現場でCOVID-19死亡患者の納体袋利用に関する課題をHCPの視点から明らかにしました

2024.02.19

著者名
森寛子ら
発表日
2024.01.30
論文タイトル
Challenges of using body bags for COVID-19 deaths from the healthcare provider perspective – a qualitative study
研究の概要
 COVID-19パンデミックによる医療現場の混乱の一つに、死亡患者への納体袋使用がある。納体袋は医療機関での利用はほぼ前例がなく、医療者の重責は大きかった。本研究は感染第5波中に実施され、13県下の看護師・医師25名に対し納体袋利用で直面した課題に関し丁寧な聞き取り調査を行った。本研究は4テーマ、1)死者の尊厳の保持、2)納体袋越しに最期の別れをする遺族への配慮、3)医療者への身体的・精神的影響、4)納体袋使用について統一できない見解、が明らかになった。
 COVID-19に関する納体袋利用はエビデンスも乏しく、死者の尊厳への倫理的懸念、遺族の悲しみへの共感を抱きながら、遺体袋使用の推奨に悩むHCPの精神的・身体的苦痛などが示された。この知見は未知の感染症流行時に求められる遺体管理へのガイドラインや政策立案に役立つと考える。
PMID
38290757
掲載誌
BMJ Open Quality