研究論文

Research Publication

高齢者におけるスタチン治療の効果が明らかに:日本人集団における死亡率減少

2023.12.03

著者名
舟木大登、宮腰明典、佐々木八十子、中谷英仁
発表日
2023.12.02
論文タイトル
Identification of subgroups within a Japanese older adult population for whom statin therapy is effective in reducing mortality
研究の概要
この研究は、日本の65歳以上の高齢者を対象に、コレステロール低下薬であるスタチンの効果を調べました。特に、スタチンが高齢者の死亡率を減らすかどうかを中心に研究しています。静岡県の大規模な健康データベースを利用し、スタチンを服用している人と服用していない人の健康状態を比較しました。
その結果、スタチンを服用している高齢者は、服用していない人に比べて、死亡率が大幅に低いことがわかりました。具体的には、スタチンを服用することで、5年間で死亡率が約5%減少することが判明し、20人以上の高齢者にスタチンを服用させると、1人の命を救うことができると推定されました。
さらに、この研究は、特に75歳から85歳未満の高齢者や、糖尿病や認知症などの持病を持つ人において、スタチンが特に効果的であることを示唆しています。これは、スタチンが高齢者の健康維持に役立つ可能性があることを意味しています。
PMID
38039298
掲載誌
PLOS ONE