研究論文

Research Publication

計算モデルを使った研究により人間が持つ聴覚特性の起源に関する示唆が得られました

2023.06.06

著者名
古川茂人ら
発表日
2023.05.24
論文タイトル
Human-Like Modulation Sensitivity Emerging through Optimization to Natural Sound Recognition
研究の概要
音認識に重要な手がかりのひとつに、音の振幅の緩やかな時間変化のパターン(振幅変調、AM)があります。これまでの多くの研究では、ヒトや動物がAMに対してどのような感度特性を持つのか調べられてきました。しかし、ヒトや動物が「なぜ」そのような特性を持つに至ったのかは分かりませんでした。この研究では、自然音認識のために最適化された人工ニューラルネットも、ヒトと同様なAM感度特性を獲得すること、またそのためには音に含まれる自然なAMが必要であることが分かりました。この結果は、私たちの聴覚特性が、自然な環境の中で必要なタスクを果たすために進化や発達の過程で最適化された結果である可能性を示唆します。
PMID
37185101
掲載誌
Journal of Neuroscience