研究論文

Research Publication

合成コラーゲン神経導管 (Renerve® )により治療された手指神経損傷の中期アウトカムについて

2023.05.30

著者名
田中仁啓ら
発表日
2023.05.04
論文タイトル
Mid-term outcomes of digital nerve injuries treated with Renerve® synthetic collagen nerve conduits: A retrospective single-center study
研究の概要
 生体分解性の合成神経導管は末梢神経損傷の治療で広く用いられている。近年、コラーゲン繊維で充填された生体吸収性のコラーゲン導管(Renerve®)が日本で商用化されたため、本研究では手指神経修復におけるRenerve®の臨床上の有効性と安全性を評価した。
 本研究は単施設後向きコホート研究で、2017年8月から2022年2月までにRenerve®を用いた手指神経修復手術を受け、最低12ヶ月のフォローアップがある患者(17患者、20神経)のデータを検討した。その結果、感覚神経機能は術後12ヶ月でほとんどの症例で良好であり、欠損長が12mm未満の全ての神経において良好な神経アウトカムが認められた。また、いずれの患者にも術後の合併症は観察されなかった。
 以上から、Renerve®の手指神経損傷修復で有効性・安全性ともに高いことが判明した。Renerve®の手指神経損傷に対するリアルワールドデータは乏しいため、本研究の結果は日常臨床に非常に役立つと考えられた。
PMID
37149481
掲載誌
Journal of Orthopaedic Science