研究論文

Research Publication

若年がん生存者における心不全新規発症リスク

2023.05.27

著者名
田中仁啓ら
発表日
2023.05.16
論文タイトル
Risk of Incident Heart Failure among Young Adult Cancer Survivor
研究の概要
18歳から39歳の若年成人(YA)がん生存者の心不全(HF)のリスクを調査した。2000年から2019年に診断された12,879人のYAがん生存者を対象に、がんの診断と新規心不全発症リスクの間の関連を検討した。アントラサイクリン系化学療法に曝露されたYAがん生存者(738人)の5年間のHF発症率が、非曝露者と比較して有意に高いことが明らかとなった(4.0%対1.3%、P<0.01)。アントラサイクリンを投与された生存者は、心不全のリスクが非投与者と比べ2.6倍高かった。アントラサイクリンの持つ心毒性が心不全の発展に寄与した可能性が考えられた。更に、特定のがんタイプ(特に、アントラサイクリン系化学療法を受けた患者)でHF発生率が有意に高かった。
掲載誌
Journal of American College of Cardiology: CardioOncology
(JACC CardioOncol)