研究論文

Research Publication

非カルバペネム系広域βラクタム抗菌薬と比較した場合の敗血症に対するカルバペネム初期投与の有効性に関して

2023.05.27

著者名
田中仁啓ら
発表日
2023.05.26
論文タイトル
Efficacy of Carbapenems Compared With Noncarbapenem Broad-Spectrum Beta-Lactam Antibiotics as Initial Antibiotic Therapy Against Sepsis: A Nationwide Observational Study
研究の概要
敗血症治療開始時には、起因菌が同定されることはまずないため、臨床ではスペクトラムの広いカルバペネムがよく使用されている。しかし、耐性菌の出現の問題から、カルバペネム頻用は避けるべきであると考えられ、他剤と比較してカルバペネムの初期投与が死亡率低下に寄与しているのかどうかを明らかにする必要があると考えられた。本研究は多施設後向き観察研究で、2006年から2019年までに敗血症と診断された成人を対象とした。7392名の敗血症患者(初期治療としてカルバペネム投与3537名と非カルバペネム抗菌薬投与3845名)の入院中死亡率を両群で比較した。その結果、カルバペネム使用と死亡率低下の間に有意な関連は認められなかった(調整オッズ比0.88, p = 0.108)。
PMID
37232855
掲載誌
Critical Care Medicine