研究論文

Research Publication

ヒドロクロロチアジド使用による日本の高血圧患者の皮膚がんリスク増加が明らかになりました

2023.05.02

著者名
橋爪秀夫、中谷英仁、佐々木八十子、宮地良樹
発表日
2023.05.02
論文タイトル
Hydrochlorothiazide increases risk of non-melanoma skin cancer in an elderly Japanese cohort with hypertension: the Shizuoka study
研究の概要
この研究では、ヒドロクロロチアジド(高血圧治療薬)使用と非メラノーマ皮膚がん発症との関連を検討しました。これまでの研究では結果が一貫しなかったため、静岡県市町国民健康保険データベースを用いて、60歳以上の高血圧患者を対象に解析が実施されました。結果として、ヒドロクロロチアジド使用者は非使用者に比べて皮膚がんリスクが高まり(ハザード比1.58、95%信頼区間1.04-2.40)、日光にさらされる部位での発症が多く、扁平上皮がんの傾向がありましたが、基底細胞がんやボーエン病には関連が見られませんでした。この研究は、日本の高血圧患者や黒い肌質の人々において、ヒドロクロロチアジド使用が皮膚がんリスクを増加させることを示し、高齢化社会におけるヒドロクロロチアジド使用者の皮膚がんリスクの増加に世界的な警鐘を鳴らしています。
掲載誌
JAAD International