研究論文

Research Publication

脳血管周囲腔に関連する遺伝因子の同定

2023.04.28

著者名
田原康玄、瀬藤和也、松田文彦ら
発表日
2023.04.17
論文タイトル
Genomics of perivascular space burden unravels early mechanisms of cerebral small vessel disease
研究の概要
脳血管周囲腔はMRIで描出可能な微小血管障害のマーカーであり、脳卒中や認知症のリスク因子となる。主に白人からなる40,095人を対象としたゲノムワイド関連解析から、脳血管周囲腔と関連する24のリスク遺伝子座が明らかになった。これらの遺伝子は、若年成人でも脳血管周囲腔と関連しており、異染性白質ジストロフィー遺伝子や胎児の脳血管内皮細胞で発現する遺伝子を含んでいた。日本人集団を対象とした解析においても、これらの遺伝子座の53%が有意な関連を示した。メンデルランダム解析の結果、血圧と大脳基底核および海馬の脳血管周囲腔とに因果関係があることが示された。また、大脳基底核と海馬の脳血管周囲腔は、血圧とは独立して脳卒中と関連することも明らかとなった。
PMID
37069360
掲載誌
Nature Medicine