研究論文

Research Publication

スボレキサント服用における高齢者の大腿骨骨折リスク

2023.04.27

著者名
吉岡良造、山本精一郎、中谷英仁
発表日
2023.04.24
論文タイトル
Effectiveness of suvorexant versus benzodiazepine receptor agonist sleep drugs in reducing the risk of hip fracture: Findings from a regional population-based cohort study
研究の概要
睡眠薬は高齢者の不眠症治療に必要ですが、ベンゾジアゼピン系薬はせん妄や骨折のリスクが懸念されています。そこで、オレキシン受容体拮抗薬のスボレキサントと大腿骨骨折発生の関連を調査しました。静岡県国保データベースを用いて、新たにスボレキサントやベンゾジアゼピンなどの睡眠薬を服用した患者の大腿骨骨折までの時間を比較しました。傾向スコアを用いたマッチング後、スボレキサント群(6855例)とベンゾジアゼピン系薬群(6855例)でそれぞれ259人と249人が骨折しました。ハザード比は1.48(信頼区間1.20-1.82)で、スボレキサント服用者の方が骨折リスクが高いことが分かりました。日本人の睡眠薬利用者において、スボレキサント服用者はベンゾジアゼピン系薬服用者に比べ大腿骨骨折のリスクが高い可能性があります。
PMID
37093840
掲載誌
PLOS ONE