研究論文

Research Publication

血栓安定化因子を標的とした効率的な血栓溶解療法の確立

2023.01.13

著者名
浦野哲盟ら
発表日
2022.01.06
論文タイトル
Pre-administration of a carboxypeptidase inhibitor enhances tPA-induced thrombolysis in mouse microthrombi: Evidence from intravital imaging analysis.
研究の概要
目的:生体内で止血血栓の安定化に関わるトロンビン活性化線溶阻害因子 (TAFI) の阻害薬の血栓溶解薬としての可能性を生体内リアルタイムイメージング手法を用いて検討する。結果;TAFI 阻害薬は、通常血栓溶解薬として脳梗塞等の治療に用いられる組織型プラスミノーゲンアクチベータ (tPA) と併用すると血栓溶解を有意に促進した。しかし単独投与では血栓溶解効果は認められなかった。考察:TAFI は止血血栓を安定化するだけでなく病的血栓の早期溶解も阻害するため、その活性を阻害して血栓溶解を促進する治療法確立の可能性を検討した。TAFI 阻害薬の血栓溶解促進作用を初めて動物モデルで示したもので新規の血栓溶解療法の確立に資すると期待する。
PMID
35030422
掲載誌
Thrombosis Research