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論文紹介(Association Between Cerebral Microbleeds and Circulating Levels of Mid-Regional Pro-Adrenomedullin)

2022.06.21

  • 栗山長門教授が筆頭著者となった論文が「Journal of Alzheimer's Disease」に掲載されました。


    【論文タイトル】
    Association Between Cerebral Microbleeds and Circulating Levels of Mid-Regional Pro-Adrenomedullin

    【掲載誌情報】
    2022年6月発行、J Alzheimers Dis doi: 10.3233/JAD-220195. Online ahead of print.
    Association Between Cerebral Microbleeds and Circulating Levels of Mid-Regional Pro-Adrenomedullin - PubMed (nih.gov)

    【要旨】
    ・我々は、血管保護に関係する血管作動性生理活性物質Mid-regional pro Aadrenomedullin(MR-proADM)が、微小脳出血を伴う認知機能低下において、脳小血管cerebral small vesselの脆弱性を反映する指標であるか、および、認知機能低下を予知するマーカーであるかどうかを地域住民データを用いて検討しました。
    ・今回の頭部MRを用いた高齢者検診の調査結果から、MR-proADMは、独立した微小脳出血cerebral microbleeds (MBs)を伴う認知機能低下の予知マーカーであり、高MR-proADMは、MBsに伴う認知機能を低下させる病態を反映している、と推察されます。

    【研究タイトル】
    頭部MRIにおける脳内微小出血MBsおよび新規血中マーカーMR-pro ADMの関係

    【研究概要】
    ○背景

    我々は、血管作動性ペプチドvasoactive peptide のアドレノメデュリン前駆体であるMidregional pro-adrenomedullin; MR-proADMが、脳小血管病に関係する生理活性物質であることを報告してきました。MR-proADMは、脳動脈硬化などに対する生体防御物質として血管内皮細胞などから産生されることが知られています。
    一方、認知機能低下と関連がある脳内微小脳出血cerebral microbleeds (MBs) は、脳の血管脆弱性を反映する指標とされているが、その発生病態は十分に明らかとはなっていません。
    今回、血管作動性ペプチドが、認知機能低下をもたらす脳内微小脳出血に、関連があるかどうかを調べました。
    ○方法
    対象は、脳梗塞や認知症治療歴がない地域住民214名(平均年齢75.9歳)
    ○結論
    MR-proADM値は、認知機能低下を伴うMBs保有群で上昇していました。特に、MBsが3個以上あるケースでは、MR-proADM(≧0.65nmol/L)が高値であることが、2.94倍多く見られることが明らかとなりました。例えば、地域での高齢者検診で、頭部MR画像でMBs所見を有する早期の認知機能低下例の検出には、MR-proADM測定が、早期予知マーカーとして有用であると考えられます。

    【研究者】
    Nagato Kuriyama , Teruhide Koyama , Etsuko Ozaki , Satoshi Saito , Masafumi Ihara , Daisuke Matsui , Isao Watanabe , Masaki Kondo , Yoshinori Marunaka, Akihiro Takada , Kentaro Akazawa , Satomi Tomida , Reo Nagamitsu , Fumitaro Miyatani , Masahiro Miyake , Eri Nakano , Daiki Kobayashi , Yoshiyuki Watanabe ,Shigeto Mizuno , Mizuho Maekawa , Tamami Yoshida , Yukiko Nukaya , Toshiki Mizuno , Kei Yamada , Ritei Uehara